とんこつのブログ

スーパードンキーコングシリーズなどのRTAプレイヤーであるとんこつのブログです。

RTA in Japan 2020 Onlineでスーパードンキーコング 3 (GBA) を走りました

2020年8月14日に『RTA in Japan 2020 Online(以下、RiJO 2020)』に走者として参加したレポートです。

イベントの概要などについては以下の記事をご覧いただければ幸いです。

 

当選に至るまで

2月15日

今回RiJOで走ったスーパードンキーコング3 (GBA) を、ラーニングから初通しまで12時間で行いました。普段はSFC版の3作品をメインにRTAに取り組んでいるのですが、新しい作品に着手することで視野を広げたいという思いがきっかけでした。Anankozやemptysysをはじめとする海外走者の配信を見てこのゲームに興味を持っていたことや、純粋に気分転換したかったことも大いに関係しています。この時は半年後にRiJOで披露するほどやり込むことになるとは思いもしませんでしたが……。

2月22日

GBA版を開始して1週間、当時の世界記録まであと16秒に迫る56:46というタイムを達成しました。名古屋RTAオフへの申請に向けて取り組んできた記録狙いもこれで一区切り……

と思っていた矢先、練習中に偶然水中の壁を抜けることに成功してしまい、このゲームのRTAが激動していくこととなりました。

その翌日にはこのゲームで初めての世界記録を達成しました。水中壁抜けに関する詳細は以下の記事にまとめてあります:

5月19日

V0oidathon 3というイベントに、海外走者との4人レースで参加しました。このイベントに向けて準備を進めた期間は、毎日が新たな発見の連続で、とても刺激的でした。

実際、寝ている間にヨーロッパやブラジルで発見された新トリックを自分の配信内で改良して実用化する、といったことが何度もありました。ここまでアクティブなルート開拓は、歴史の長いSFC版のRTAではなかなか望めないので、良い経験になったと思っています。

5月25日

RiJO 2020に、スーパードンキーコング2のWarplessとともに応募しました。

応募時点での自己ベスト (50:02) については、以下の記事で詳しく説明しています:

5月30日

名古屋RTAオンラインフェスでAny%を走りました。5月には上の記事で紹介している2つの大きな発見があったのですが、その間接的なきっかけの1つはこのイベントへの参加でした。また、2月から変わり続けてきたGBA版のAny%ルートも、この時点でほぼ現行のルートと同じものに落ち着いていました。

当選〜本番まで

6月19日

RiJO 2020の当落が発表されました。どちらかというと通るとすればドンキー2の方かと予想していた分、驚きも大きかったです。過去のRiJでは、ドンキー3はSFC版を含めて単独で披露されたことがなかったので、身の引き締まる思いで準備を開始しました。

解説者を探すにあたっては、数名のSFC版走者の方に声をかけたのですが、出番がお盆期間の早朝ということもあって残念ながら都合が合わず。

そこで、「解説請負人」ことアジーンさんにお願いしたところ、快く引き受けて下さいました。アジーンさんにはRTARacingにおけるドンキー1レースの解説を担当いただいたこともあり、アジーンさんの解説なら安心してプレイに集中できることはよく知っていました。

(実は、国内走者がほぼいないGBA版でRiJOに応募した時点で、解説に関してもしものときはアジーンさんに頼めば何とかなる、というのが頭の片隅にありました。)

ジーンさんご自身も詳しいRiJO参加レポートを書かれていますので、是非ご覧ください:

7月10日

49:41という大満足のタイムを達成しました。50分切りの達成とともに本番までの目標にしていた解説動画の作成も無事に完了し、6万回を超える再生をいただきました:

7月14日

Summer Games Done Quick (SGDQ) に当選しました。もちろん非常に嬉しかったのですが、8月中旬に別のゲームで2大イベントに参加するということが決定し、厳しい練習スケジュールを覚悟しました。

SGDQへの応募〆切は日本時間の6月18日だったので、これがもしあと1日遅く、RiJOの当落発表後だったら、SGDQへの応募はドンキー3 (GBA) のみに絞っていたかもしれません。

 

8月1日

本番に向けて1日1回の通し練習を開始しました。5月のイベントで使用した1発勝負用ルートをそのまま流用するだけではありましたが、SGDQに向けたドンキー2の記録狙いと並行して進めるのは難しく、仕上げるのに普段の数倍は苦労しました。

ちなみに練習でのベストタイムは50:31でした。ソフトロックのリスクを考慮して途中でセーブを2回挟むので、記録狙いのルートとはそこだけで10秒以上差が付きます。

 

8月8日

ジーンさんとのリハーサルを行いました。その様子は、既に以下の記事に詳しく書いていただいています:

ジーンさんご自身はリハーサルでの課題が山積みだったと仰っていますが、走者視点では全くそんなことはありませんでした。

解説をお願いした際に、無礼にも膨大なTo doリストのようなものを送り付けていたのですが、何とその大半を7月中に完了されており、ここまで徹底して準備していただけるのかと改めて驚きました。

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本番期間のこと

8月13日

RiJO 2020初日でしたが、出番が翌日の朝6時台ということで、最終調整に専念。通算1000走目のランで51:03というタイムでした。本番の目標は最低51分台、あわよくば50分台だったので、本番も同じパフォーマンスを出せることを祈りながら20時に就寝しました。

8月14日

5時に起床してウォームアップを開始し、スケジュール通り6時半ごろに出番が回ってきました。早朝にも関わらず15000人ほどの方に生でご視聴いただいており、目が覚めました。

とはいえ多少の眠さはありましたが全く緊張はなく、良い集中力で100%に近いパフォーマンスを発揮することができました。

終わってみれば50:55(手元の計測では50:52)という好タイムでした。このゲームの大技にはやり直しのきく技ときかない技があり、特に後者を全て披露したいという気持ちが強かったのですが、それらをスムーズに決めることができたのが非常に良かったです。

以下は過去のイベントでのランにおける技の成否表ですが、過去の経験と練習が生きた会心の内容だったと改めて思います。

  V0oidathon 名古屋RTAオフ RiJO 2020
タイム 51:50 51:23 50:52
ふわふわ天井抜け ×
カオス1サイクル
エンガード看板抜け ×
バーボスWキル single single double
コンベアロープZIP 3rd try 2nd try 1st try

ジーンさんの解説もリハーサルの段階から更に洗練されており、走っていて気持ちが良かったです。全ての関係者の皆様に改めて感謝します。

余談ですが、ボス『ブリーク』の断末魔を声真似するという茶番についても、発声・タイミングともに申し分なく(声量以外は)満足でした。

名古屋RTAオフのときにはラスボス戦で同じことを試みたのですが、ボイスチャットのフィルタ機能に阻まれて叫び声が全カットされるという痛恨のミスがありました。今回はそれを避けるべく、ブリーク戦のみボイスチャットをミュートにして、ゲーム音と一緒にマイク音を乗せる設定に切り替えるという、若干慌ただしいことを裏でやっていました。

 

8月16日

イベント自体は16日まで続きましたが、19日にはSGDQでの出番を控えていたので、裏でひたすらドンキー2の練習を続けていました。

すると、イベント終了後、RiJ公式チャンネルからまさかのRaidをいただき、急遽25000人の前で通し練習をすることになりました。

RiJO本番とは比べ物にならないくらい緊張しましたが、これがとても良い練習になり、SGDQ本番での成功にも繋げることができたと思います(やかましい配信で大変申し訳ありませんでした)。

 

本番を終えて

本番後は余韻に浸る暇もありませんでしたが、GBA版ドンキー3の魅力の一端をお伝えすることには成功したようで、それが何よりの幸せでした。

また、今回はRiJ 2019から続けての参加となりましたが、その他にもたくさんのイベントに参加させていただけているのはとても幸運で、RTA走者として光栄に思っています。

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今後についてですが、前回の参加レポートにも書いた通り、特定のイベントへの参加をメインの活動目的にすることはありません(既にRiJ 2020に応募済みではありますが)。これまで同様、好きなゲームのRTAを上達していく過程でチャンスがあれば、また今回のような素晴らしい経験をできると嬉しいです。