RTA in Japan 2019でスーパードンキーコングを逆走しました
2019年12月31日に『RTA in Japan 2019(以下、RiJ 2019)』に走者として参加したレポートです。
イベントの概要などについては以下の記事をご覧いただければ幸いです。
当選に至るまで
2018年12月31日
きっかけは本番のちょうど1年前、RiJ3にドンキー2 102%の解説として参加したことでした。最高の雰囲気とプレイに刺激を受け、「来年は走者としてこの場に戻ってきたい」という思いが芽生えました。
とはいえ、2018年にRTAを始めたばかりの私にとって、ドンキーというゲームはあまりに奥深く、国内でトップに近づくことも叶わないまま8ヶ月が経過しました。
2019年9月5日
そんな私が初めて世界記録を獲ったのが、『スーパードンキーコング Reverse Boss Order(以下、RBO)』というカテゴリでした。30:35という記録の解説動画を投稿するとともに、RiJ 2019への応募を決意しました。
9月29日
もう1人の国内RBO走者である炎龍さん(前年のドンキー1 101%走者)に声をかけ、レース形式でRiJに応募しました。単走で申し込まなかった理由は、事故の起こりやすいカテゴリであるため、1人では綺麗に通せないリスクが高かったからです。また、当時既に炎龍さんに世界記録を抜かれていましたが、ルートの安定化や最適化の面で少なからず貢献できたという自負もあり、胸を張って応募をお誘いしました。
当選〜本番まで
10月21日
当選の知らせを受け、すぐに炎龍さんと打ち合わせを行い、当時ドンキー1に着手されたばかりのがーすーさん(前年のドンキー2 102%走者)に解説を依頼しました。ニコ生での宣伝活動に加え、RBOを習得してご自身でも走って下さったがーすーさんには心から感謝しています。
12月1日
1日1回の通し練習を開始しました。この時期から炎龍さんとの裏並走を定期的に行いながら、本番用ルートを固めていきました(記憶が正しければ練習の結果は3勝3敗)。
2人で協力してRBOの面白さを伝えたいという私の考えと、あくまで1秒に拘る熱いレースを披露したいという炎龍さんの考えが合わず、安定のためのファイルセーブをいつ何回行うかで長い議論になったこともありました。この点については、応募段階で炎龍さんに私の意図をはっきり伝えるべきだったと後悔しています。
12月14日
攻略順やワープ方法の試行錯誤によって得た発見を合計したところ、40秒弱のルート更新になることが判明しました。この発見によって本番直前まで記録更新合戦が続いたことは、以下の画像でお分かりいただけるかと思います。
その2日後には海外勢から更に10秒の更新が提案されたため、練習してきた本番用ルートは一旦白紙に戻さざるを得ませんでした(最終決定したのは本番10日前のことです)。
12月25日
解説のがーすーさんを含めてオンラインでのリハーサルを行いました。がーすーさんがRBOを習得した頃とはルートが別物になっていたので、念入りな打ち合わせが必要でした(詳しいメモをお渡ししましたが、それでも準備に苦労されたと思います)。
本番期間のこと
12月29日
下見を兼ねて夕方に会場入りしてクオリティの高い名札を受け取り、夜はドンキー走者13人での飲み会に参加しました。色んな走者の方々とお話するなかで、2日後の本番に向けて気持ちを高めました。
12月30日
この日も夕方だけ会場に顔を出したあと、ボードゲームバーというお店で、オフラインでの最終リハーサルを行いました。個別にお名前は出しませんが、以前からオンラインで交流のあった方々と会場でご挨拶できて良かったです。
12月31日
豚骨ラーメンでゲンを担ぎ、昼過ぎに現地入りして練習スペースで最終調整を行いました。カメラの向こうで2万人以上が見ているという興奮と、積み重ねてきた練習への信頼から、一切の緊張はありませんでした。
実際、本番では実力通りのパフォーマンスを発揮することができ、32分台という好タイムで無事に完走することができました。炎龍さんは相当緊張されていたようですが、要所の決め台詞で会場やチャットを盛り上げながらの35分切りは、流石の一言でした。
RBO完走後は、予定時間より大幅に巻いていたということで解説タイムを設けていただいた上、突発のAny%レースまで行いました。心の準備不足が6-2以降のプレイに表れてしまいましたが、3-5の逆走ルートを急遽実行できた点は良かったです。
がーすーさんによる明快な解説も好評で、改めてこの3人でRiJに参加できて良かったと思います。現地やオンラインでご視聴・応援いただいた方、本当にありがとうございました。また、プレイに集中できる最高の環境を用意してくださったRiJ関係者の皆様にも、改めて感謝します。
本番を終えて
2020年1月17日
本番後も国内外の走者と協力してRBOのルートを80秒ほど更新し*1、初の27分台である27:48という記録を出しました。最新の内容を盛り込んだ解説動画も作りましたので、RiJでドンキーRTAに興味を持った方には是非ご視聴いただければと思います。
今後についてですが、特定のイベントへの参加をメインの活動目的にすることはありません。これまで同様、好きなゲームのRTAを上達していく過程で、もし機会に恵まれることがあれば、またRiJ 2019のような素晴らしいイベントに走者として参加できればと考えています。
*1:年明けに大きな短縮が見つかったことに関して、本番使用したルートへの悔いはありません。ルートの最適化については12月中旬までに最大限の努力をしたつもりですし、もし本番直前期をルート構築に捧げていたら本番のパフォーマンスはきっと落ちていたでしょう。